難民認定手続について
「難民」とは難民条約で定められた、人種・宗教・国籍・特定の社会的集団の構成員であること、又は政治的意見を理由として迫害を受けるおそれがあるという十分に理由のある恐怖を有するために国籍国の外にいる方のことで、その国籍国の保護を受けることができないか、又はそれを望まない方のこととされています。
難民認定手続とは、外国人の方がこの難民の地位に該当するかどうかを審査し決定するお手続きです。
難民認定を受けた外国人の方は、次のような権利又は利益を受けることができます。
◎永住許可要件の一部緩和
通常、日本に在留する外国人の方が永住許可を受けるためには、①素行が善良であること、②独立の生計を営むに足りる資産又は技能を有することが必要となります。
しかし、難民認定を受けて在留する外国人の方は、このうち②の要件を満たさない場合でも法務大臣の裁量により、永住許可を受けることができます。
◎難民旅行証明書の交付難民認定を受けた外国人の方が外国を旅行するときは、難民旅行証明書の交付を受けることができ、所持されている方は、交付から1年間は、何度でも日本を入出国できます。
ただし、在留期間の残りが1年未満の場合は、期限までに日本に入国される必要がありますのでくれぐれもご注意下さい。
◎難民条約に定める各種権利難民認定を受けた外国人の方は、原則として締約国の国民や一般外国人と同じ待遇を受けることができます。 日本では国民年金、児童扶養手当、福祉手当などの受給資格が得られ、日本人と同じ待遇を受けることができます。
難民認定は日本に入国される際だけでなく、日本の国内でも申請者の住居地等を管轄する地方入国管理局、支局及び出張所で行うことができます。
この認定は申請者から提出された資料に基づいて行われますので、申請される方は難民であることの証拠又は関係者の証言によって、自ら立証する必要があります。
提出した資料のみでは十分な立証が得られない場合は、認定を適正に行うために、難民調査官が公務所等に照会するなどの調査をすることになります。
難民認定を受けた外国人の方は通常、定住者の在留資格が付与されます。また、認定がされていない方でも、その方が日本に在留しなくてはならない事情があると認められる場合は、在留を特別に許可されることがあります。
これにより、3ヶ月を超える在留期間となった申請者には在留カードが交付されます。
◎仮滞在の許可
不法滞在者など、在留資格未取得の外国人の方が難民認定申請をされる場合は、その方の法的地位の安定を図るため、日本に上陸された日(日本にいる間に難民となった方は、その事実を知った日)から6ヶ月以内に難民認定申請をされた方、又は難民条約上の迫害を受けるおそれがあった領域から直接日本に入られた方などの場合は、難民認定申請中として仮滞在が許可され、その間は退去強制手続が停止されます。
ただし仮滞在許可を受けた方は、住居や行動範囲が制限されるほか、就労は指定されたものを除いて禁止され、また、難民調査官から出頭の要請があった場合には指定された日時、場所に出頭して難民認定手続へ協力する義務が課されるなど、数々の制限を受けることになります。
仮滞在期間は原則6ヶ月間ですが、更新申請が許可期限の10日前から受け付けられていますので、更新をお考えになられる場合は、住まわれる地域を管轄する入国管理局への申請が必要となります。
難民認定に関するお手続きは、当事務所でサポートできます。お気軽にご連絡下さい。